フォレストサイドハウスの住人たち(その8)
12 フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(200)
鶴岡次郎
2014/07/15 (火) 11:02
No.2560

女はこのまま抱かれるつもりで、目を閉じ、男を抱きしめています。一方、男は勃起が戻ってくる
まで、できるだけ時間を稼ぎたいのです。女の肩を持ち、ゆっくりと女の体を離しました。女も素
直に離れています。

間近に迫った女の頬に男はそっと指を添えています。情欲を秘めてキラキラ光り、先ほど流した涙
のせいで瞳はしっとり濡れています。そんな千春を浦上は美しいと思いました。この女を離さない
と、改めて男は心に誓っていました。

「教えてほしいのだが、先ほどの話では、離乳した頃から、感情が異常に高ぶることが多くなった
と言っていたが、家事の途中で寝室へ駆け込み、デルドーを差し込みたくなるほど、突然感情が高
ぶることは、度々起こることなの…?」

「ハイ・・・、恥ずかしいのですが・・、
最近では、毎日…、
そして、日に何度も、何度もあります・・・」

「そう・・・、そんな状態だとは、気が付かなかった…」

『万人に一人と呼べるほど性感に恵まれた女』と、佐王子から言われた言葉を浦上は忘れていたわ
けではありません。ただ、長男の誕生、それに続く子育ての中で、千春は懸命に母の仕事に打ち込
んでいたのです。その結果、千春の性感は封印され、浦上は佐王子の警告を意識の外に追い出すこ
とが出来ていたのです。

授乳時期が終わり、母の仕事に一段落付けた千春に本来の性感が戻ってきた。浦上はそのように受
け止めていたのです。

「デルドーを使いだしたのは最近だと言っていたが、
以前は、どうしていたの・・・」

「じっと我慢して、
その気が通り過ぎるのを待っていた・・
あの棒を使いたいと思ったことは何度もあった…
でも使うことはできなかった…」

「どうして・・」

「だって・・、逆の立場になって考えると、
私という妻が居るのに、あなたが自慰に耽るのは許せない・・、
それと同じように、指でしたり、棒を使ったりするのは、
あなたへの冒涜だと思っている・・」

「なるほど・・、そんな考えもあるね・・、
しかし、今回は我慢できずに、デルドーを手にした…
今回の欲望は特別強かったということだね・・」

「ハイ・・体の疼きは日に日に酷くなっています。
あなたの出張中、初めはいつもの様に、指で処理していました・・ 。
ところが、際限なく欲望がこみ上げてくるので、
つい誘惑に負けて、この棒を使いました。

一度その棒の味を知ってしまったら、我慢する気力が衰えました。
多分、これからは、指を使った後は、この棒を使うことになると思います…」

「判った…、
つまらないことを聞いてしまった…、
くだらない質問に、正直に答えてくれてうれしいよ…、
これから先、僕が君の要求に応えられるかどうか自信はないけれど、
とにかく、僕には正直にすべて打ち明けてほしい…。

それと・・、デルドーを使うことなどあまり気にすることはない、
この棒を使っている千春は、それでそれで、僕を興奮させる効果があるよ・・・、
だから、その気になれば、僕の前でも構わないから、いつでも使ってほしい…」

「そう言っていただけると嬉しい…、
あなたの居る時は、出来るだけ使わないようにしますが、
もし、目に留まるようなことがあれば・・・、

その時は・・、
黙って、見過ごしてください…、

声を掛けていただいたりすると、
その…、恥ずかしいけれど、言いますネ・・、
あなたを見れば、本物が欲しくなってしまうのです・・・・

ああ・・、こんな赤裸々なこと言ってしまって…、恥ずかしい…」

処女の様に羞恥で頬を染め、両手を頬に添えて、視線を下へ逸らしている千春です。浦上の中に熱
い気持ちが蘇ってきました。浦上は股間の状態を慎重に読み取ろうとしています。何とか対応でき
そうだと判断を下しました。