フォレストサイドハウスの住人たち(その7)
20 フォレストサイドハウスの住人たち(その7)(184)
鶴岡次郎
2014/06/13 (金) 11:33
No.2542

夫人の心情を察知したのでしょう、千春がやさしい声で慰めました。

「正直言って、あまり心が通わない、ただ巨大なだけがとりえのモノは、その味がどんなに強烈
でも、生涯の伴侶とする気にはなれません。人それぞれ身体の相性があるとよく言われますが、
毎日接する相手は、ほどほどのサイズが良いと私は思います」

「千春さんが言うと、何となく説得力がある・・・。
あなたが言う通り、究極の味を知るとその後が味気なくなると思う・・、
足りない・・、もう少し大きければ・・、もう少し強ければ・・と、
日頃不満に思っている程度がちょうどいいのかもね…、
私のような平凡な女には、今の主人がちょうどいいのよ・・」

「おっしゃる通りだと思います。
ああ・・、いえ・・、ご主人のサイズのことを言っているのではありません。

私は幸か不幸か、いろいろな男に抱かれて、様々な経験を積むことが出来ました。
大きい人、そうでない人、好みの方、そんなに好きになれない方・・・、
いろいろな男に抱かれました・・。
でも・・、一番良かったのは・・、断然、三郎さんです・・」

「やはり・・、心を惹かれた殿御が、女には一番ていうことね…」

「ハイ・・・」

「たくさんの男を知っていて、その上で・・、
夫にする男はナニのサイズも大切だけれど・・、
心が通い合うことが大切だと言い切る千春さん。
私などとても及ばない見識の持ち主です。本当に感動しました。

三郎さんとのこと、私が余計な心配をする必要は無かったんだ・・。
上の下クラスの三郎さんのモノなど、
問題なく受け入れることが出来ているんだ・・」

「ハイ・・、おかげさまで楽しんでいます。
彼から電話がかかって来て、彼と会えると思うだけで体が熱くなり、
恥ずかしいのですが、彼の声を聴くだけで異常に潤ってくるのです。

彼がいきなり入って来ても、楽々、飲み込み、
彼のモノで苦痛を感じたことは一度もありません。
それどころか、毎回、気持ちよくて、失神してしまうのです…。

ああ・・、こんなはしたないことを申し上げて・・、スミマセン…」

千春がペロと舌を出し、おどけた仕草で頭を下げました。

「いいのよ…、
そう・・、すごいね…、毎回失神するの…、
いいわね…、ちょっとうらやましい・・・・。

千春さんはすごいね…、
本当に、うらやましい・・・

あんな大きなモノを・・・、
最初から楽々受け入れることが出来たなんて・・
その上、毎回失神しているなんて…」

艶然と塚原夫人が笑っていました。そして、次の瞬間夫人の表情にわずかな変化が現れました。ど
うやら、夫人は自身の失言に気が付いた様子なのです。