フォレストサイドハウスの住人たち(その7)
17 フォレストサイドハウスの住人たち(その7)(181)
鶴岡次郎
2014/06/10 (火) 15:14
No.2538
夫人が話の内容を良く理解していないあいまいな表情を浮かべています。千春は少し心配になりま
した。過激な内容の話に夫人が完全に引いてしまったのではと思ったのです。

「奥様・・・、あの・・・、奥様・・・」

「アッ・・、千春さん…」

我に返った夫人が無理矢理笑みを作っています。〈心ここにあらず〉の様子に見える夫人を見て、
千春の中に漠然とある疑惑が首を持ち上げていました。しかし、それは明確な形のないもので、千
春はすぐにその考えを頭の隅に追いやり、夫人と向き合いました。

「調子に乗ってバカなことを話してしまいました。
汚い話ばかりであきれたでしょう・・、
私はこんな女なのです・・。
私のこと、軽蔑されるでしょう…」

「いえ、いえ・・・、軽蔑するなんて、そんなことは絶対ありません。
恋する男性のためなら、女は何をしても許されるべきだと思います。

でも・・、さすがに・・、職場で男性のモノを咥えるなんて・・、
理恵にはもちろん、私でも想像さえできないことでした・・。
正直言って・・、女の見栄や、羞恥心を超えて、
男性を喜ばせることだけに没頭できる千春さんがうらやましい・・・。

理恵だって・・、
あなたのような才覚と、経験があれば、
もっと、三郎さんを幸せにできたと思います。

それで・・、三郎さんはようやくあなたを抱く気になったのね…」

「いいえ・・・、その時は、そこまで話が発展しませんでした。
彼・・、久しぶりにモノが自立できたことを素直に喜んでくれました。
それで、私に気を許したのでしょう・・、正直に話してくれたのです。

奥さんを亡くして4年、
いろいろ試したけれどダメだったと教えてくれました。
どんな女と出会ってもダメだったと言うのです。

私・・・、それを聞いて、
なくなった理恵さんが忘れられなくてEDになったのだと思いました。
理恵さんと彼の関係の深さに強く嫉妬しました・・・。
今夜は何が何でも、彼をものにすると、決めたのです・・。

楽しい食事の後、私から誘ってホテルへ直向しました・・・」

「そう・・あなたからホテルへ誘ったの・・、
さすがにやるわね…、

・・・でどうだったの、彼のサイズは・・・?
理恵の言う通り、すごいモノなの…?」

いささか唐突に、夫人がみだらな質問しています。千春が驚いた表情を浮かべています。夫人も今
まで使ったことが無い淫らな言葉を発したことを恥じて、少し顔を紅潮させているのです。