フォレストサイドハウスの住人たち(その6)
14 フォレストサイドハウスの住人たち(その6)(144)
鶴岡次郎
2014/03/29 (土) 14:36
No.2494

肩の傷に女の唇を押し当てられ、男はその痛みに耐えかねて顔をゆがめています。できることなら
そっとしておいてほしいと男は思っているのですが、鮮血の味を感じ取った女はその行為を止める
どころか、さらに熱心にその部分に食いつき、盛んに血を吸い取っています。

どうやら鮮血は女の欲望を掻き立てる様子です。四肢に力を入れて女は男の体に自身の濡れた体を
押し付けて、全身をくねらせ始めました。目は欲望に輝き、膣には新たな愛液が噴出しています。
膣内に取り込まれたままの男根にもその影響はすぐに表れました。

〈ああ・・、この動きは何だ・・・
根元をやさしく締め付けられ・・・、
先端が舌でなめられているようだ・・・
これが・・、噂に聞く名器なのか・・・
凄い……〉

絶妙な膣の動きに男は感動していました。一気に男根が固く、膨張しています。男根の膨張に呼応
して、女唇の蠢きが更に活発になっています。膣内に保存されていた大量の精液が逆流して、男根
と女唇の隙間から、破裂音を発して宙に吹き出しています。二人の体が交わったあたりに、吹き上
げられた精液が雪の様に舞っています。

四年ぶりに女体を抱いた三十男の欲望はとどまるところを知りません。女もその欲望によく応えま
した。大方の女であれば、ギブアップしているところですが。千春は対等以上の対応をしました。
二人はそれから三時間余りホテルで過ごしました。その間、驚いたことに二人の体は一度も離れる
ことはなかったのです。

4年間欲望をため込んでいた男根もすごいことはすごいのですが、そんな男を相手にして三時間余
り抜かずに性交できたのはたぐいまれな吸引力を持つ千春の女陰のおかげと言えます。おそらく男
も女も、数えきれないほど逝ったはずです。逝った後、いち早く覚醒した者が仕掛けて相手を挑発
し、抜かずに性交を繰り返したのです。


この日を契機に二人は週に一度ほどの頻度で付き合い始めました。勿論、最初の時の様に狂気の様
相を見せた性交は影をひそめましたが、男も女も互いの肉体を相性のいい相手を感じたようで、会
うたびごとに新しい発見をして、二人は愛の時間に何もかも忘れて埋没していたのです。

二人の関係は佐王子の知らないことでした。浦上と付き合いながらも、千春は佐王子からの指示を
断らないでお客を受け入れていました。勿論同じ日に抱かれることはありませんでしたが、前の日
に浦上と過ごした次の日に佐王子が紹介してきた男に抱かれることも少なくありませんでした。こ
の時は、さすがに中年男の体臭が鼻につき、千春にしては珍しいことですが、いやいやながら体を
託すことになっていたのです。

二ヶ月ほど付き合いが続きました。最初の出会いから、千春はかなりみだらな本質を浦上にさらけ
出しました。その後の付き合いでも、千春はベッドでは何も隠さないで、むしろ浦上を翻弄するつ
もりで、彼女の持っているすべての能力と技を発揮しました。当然、女性経験がそれほど多くない
浦上は千春の過去と現在に大きな疑惑を抱くようになっていたのです。