フォレスト・サイド・ハウスの住人たち(その2)
27 フォレスト・サイド・ハウスの住人たち(その2)(44)
鶴岡次郎
2013/05/16 (木) 11:23
No.2368
何を思いついたのか加奈が少し悪戯っぽい表情を浮かべ栄二を見つめ口を開きました。

「ネェ・・、
静香さんのこと・・、本当に忘れることが出来たの・・」

「・・・・・・・・」

栄二が困った表情を浮かべています。最初の女性で、すばらしい美人で、花柳界で鍛え上げたお
色気も、性技も凄いはずです。10年近くその体に取り込まれていた栄二が忘れることが出来な
いはずだと確信しているような加奈の口ぶりです。

「静香さんに出会ったことで、僕の人生は変わりました。
女性のすばらしさを教えられ、男にとって、どんな時でも女性は掛け替えのない人生のパートナー
であることを教えられました。

静香さんのことを忘れたと言えば、嘘になります。しかし、もう決して、静香さんとは男と女の
関係を持つことはないと言い切れます。
僕にとって、静香さんは女神そのものなんです・・・」

栄二は宙に視線を移し、恍惚とした表情を浮かべていました。そんな栄二を加奈がじっと見つめ
ていました。

突然、加奈が栄二に抱きつきました。そして、激しく唇を吸っています。バスタオルが落ちて加
奈の全裸があらわになっています。

〈私が・・・、静香さんを忘れさせてあげる・・・
静香さんにはかなわないかもしれないけれど・・、
私だって・・、私だって・・〉

言葉には出せない叫びを上げながら、加奈は栄二に抱きついたのです。加奈の中に静香への嫉妬
心・・、いや・・、対抗心が一気に芽生えているのです。女子力の強さでは誰と比較してもそん
なに遅れはとらないと自負している加奈です。静香を女神だとまで言い切って、まるで魂を抜か
れたようにしている栄二を見ると、メラメラと対抗心が燃え始めたのです。静香の身体で快楽を
教え込まれ、大きく育てられた栄二の男根を、加奈は自分色に染めるつもりのようです。

女の攻撃に押されていた栄二の右手が加奈の股間に延びています。加奈が両脚を一杯に開いて、
それを迎え入れています。そして、加奈の右手が、トランクスの中に伸び、男根をしっかり握り
締めています。もう・・、それはしっかり臨戦態勢を整えているのです。

加奈が自ら動いて床に横たわりました、栄二がトランクスを脱ぎ捨て、加奈の股間に身体を入れ、
一気に挿入しています。加奈の身体が弓なりに反っています。快感に耐え切れない加奈が悲鳴を
上げています。

ここからが勝負です、静香が仕込んだ閨の技が加奈をだんだんに高みに上げていきました。加奈
は獣のような声を出して、身体を海老のように曲げて痙攣を始めました。栄二には余裕が残って
います。女が乱れるのを見下ろしながら余裕で腰を動かしているのです。女を抱く時、それが妻
であっても、栄二は目の前の女の中に、いつも静香を描き出しているのです。それが習慣にまで
なっている栄二なのです。

加奈が臀部を絞って栄二の男根を強く締めました。加奈が得意にしている技です。この攻撃を受
けると加奈の夫は即発します。過去に加奈に接した男達もこの攻撃を受けると30秒と耐えるこ
とが出来ませんでした。この攻撃で栄二の夢が破れました。静香の面影が消え、苦痛の表情を浮
かべ、湧き上がる快感と必死で戦っている艶やかな加奈の顔が現われました。

優に180センチを越える栄二の体に対抗出来る豊かで大きな加奈の肢体にようやく栄二は気が
ついています。静香も、彼の妻も160センチに満たない女性なのです。170センチを超える
女性を抱いたのは加奈が初めてなのです。長い加奈の脚、妖しく男の身体を探る加奈の長い手、
全身を柔らかい女性の肌で包まれる喜びを栄二を感じ取っていました。全ての感触が静香とも、
妻とも異なるのです。それまでに感じなかった部分を刺激され、栄二はまったく新たな快感を加
奈から与えられていたのです。

栄二は加奈の体に没頭し始めました。その変化に加奈も気がついたようで、股間に男根を受け入
れたまま栄二の唇に噛り付きました。男根を膣に咥えられたまま、唇を奪われる経験を初めて栄
二は味わっています。その新鮮な感覚が一気に栄二を持ち上げました。頭が真っ白になり、痙攣
しながら、栄二は加奈の中で果てました。加奈も栄二に噛り付いたまま、悶絶しました。

部屋の一方の角では、悠里が篤と八百屋の健介に両方のホールを攻められて、大きな声を出し、
激しくうごめいていました。金治はと見ると、こんな淫靡な雰囲気の中で、あい変わらず一人午
睡を楽しんでいるのです。その様子を見る限り、今も語り継がれている「6人切りの大マラ男、
金治」の面影はありません。人の良い老いた魚屋の親父そのものです。