一丁目一番地の管理人(その30)
17 一丁目一番地の管理人(461)
鶴岡次郎
2012/09/01 (土) 16:12
No.2299
「重役夫人のままであれば、そんなことは絶対なかったはずだけれど、私達の世界に入ったこと
で、姐さんは好むと好まざるに関わらず、人前でセックスをすることが普通になり、そればかり
か、他の男と寝ることが珍しいことではなくなり、今日会ったばかりの男と寝ることさえ、場合
によっては拒否できない生活を送るようになった。

この世界にどっぷり浸かっている私が言うのも変だけれど、そんなセックス環境に置かれると大
方の女は生活も化粧も、そして着る物の趣味も明らかに変化するものだけれど、姐さんはその影
響をほとんど受けていない。上流階級の奥様然とした雰囲気を変えていない。よほどしっかり
した考えが、私達にはとうてい理解できない思想が、あの人の中にあるのだと思う」

ひとしきり由美子の論評をして、君江はそこで何かを思いついたようで、Uの男根を弄っていた
手を止めて考え込んでいます。口に出して質問するかどうか、かなり迷った様子ですが、最期に
は思い切った様子で口を開いたのです。

「先代から竹内と敦子さんの面倒を見るように指示され、彼らをずっと匿(かくま)ってきまし
たが、先代は竹内さんを知っている様子ではなかった。誰かの依頼を受けて、先代が私に指示を
出した・・、私はそう推察していました。

竹内とUさんはお知り合いなのですか・・・?」

君江の顔を見ないで、Uがゆっくり首を振っています。

「そうですか・・・、Uさんでないとすると・・・、
由美子姐さんが竹内と・・・、
そうではないわネ・・・、

そうか・・・、敦子さんと由美子姐さんが知り合いなのネ・・・、
それで、姐さんが二人の保護をUさんに頼み込んだ・・・、
そうでしょう・・?」

黙ってUは天井を見上げています。否定をしないところを見ると、君江の推察は当っているよう
ですが、Uはこの話題を続けたくない意思表示をしているのです。

「判りました・・。
この話は今日限り一切忘れます・・、
主人にもこの話題は出しません。

ネッ・・、だから・・、もう一回・・・
いいでしょう・・・」

男根を握る指に力を込めています。それは半立ちのままですが、それでも並みの男が完全勃起し
た以上の威容を見せているのです。女がゆっくり上体を起こし、男の股間に頭を寄せ、男根を咥
え込んでいます。埋め込んだ真珠の玉が女の唇を歪め、男根にへばりついた粘液が君江の唇を濡
らしていました。まだまだ夜は長いのです。

男根が次第に力を取り戻した頃を狙って、君江がUの身体に跨りました。右手を器用に使って、
男根を女陰に誘導しています。

「ああ・・・、いい・・・

どうしょう・・、
Uさんの身体を独り占めしたくなっちゃた・・・
でも・・、姐さんには勝てそうもないし・・。

突いて・・、突いて・・、もっと・・・ゥ・・・」

Uが突き上げ、君江が身体を揺すり、肉体がぶつかり合う淫靡な音が部屋中に響いていました。


木の葉組の組長になった竹内は革新的な組の経営を展開し、地元は勿論、全国の仲間が注目する
ほどの成果を短期間に上げました。木の葉会の評判が広がるにつれ、その経営手法を組に取り入
れたいと願い出る組長が何人も現われました。この動きを見て、全国の組長を統括する宇田川は
竹内の協力を得て彼の経営手法を全国に展開することを考えました。

Uは頻繁に竹内を訪問し、木の葉会の経営手法をどのようにして全国展開するか話し合いました。
全国に散らばるそれぞれの組の経営内容を診断し、問題点を取り出し、その対策を考えることが
必用なのです。全国の組長を一堂に集め机上教育する程度のことではほとんど効果が出ないので
す。

Uと竹内が話し合った結果、ようやく方針が決まりました。すなわち、組長の後継者と目される
将来を託せる若手組員が決まっている場合は、その人物を木の葉会に招き、一年ほどみっちり実
地教育する。また、有望な後継者を決められない組には竹内がその組に頻繁に出かけて、組長と
組員の実地指導をすることになったのです。

組の経営診断と指導には、どうしても経理処理の専門家が必用で、君江と由美子がその候補に上
がりました。そして、竹内とUが話し合った結果、最終的に由美子に決まりました。君江でなく
由美子が選ばれたのは竹内が出張中、君江が木の葉会の組長代理を勤めるためです。

こうして、由美子と竹内は全国を旅することになるのです。いずれ二人の旅の様子は、詳細に
報告することになると思いますが、既にカラダの関係ができている二人が、性豪揃いの組長を歴
訪するのですから、鶴岡、Uそして君江にとって、気がもめる二人の同行旅となるはずです。(1)