一丁目一番地の管理人〈その28〉
25 一丁目一番地の管理人〈416〉
鶴岡次郎
2012/06/10 (日) 15:20
No.2243

「いや・・・、なかなか見事なものでした・・・。
感動しました・・」

駄菓子を商っている40男の鈴木がにこにこ微笑みながら、話かけてきました。彼は全裸で、彼
に身体を寄せている20歳代の女が彼の陰茎をしっかり握っているのです。その場にいる全員が
全裸で、カップル同士、肩を寄せ合い、敦子と竹内の絡みを見学していたのです。

「文字通り裸の付き合いというのかしら・・・、恥ずかしい姿を曝してしまったけれど、周りの
人がみんな自然体だったから、嫌悪感もひどい違和感も持たなかった・・。その夜は、それだけ
で終わりました」

朝森の表情を読み取り、彼の陰茎の勃起状態をチェックして、朝森が敦子の話を不快に思ってい
ないことを確信したようで、敦子は妖艶な笑みを浮かべていました。そして、更に話を進めるこ
とにしたのです。

「三日目の夜、皆の絡みが終わり、誰もが全裸の体を布団に投げ出して、余韻を楽しんでいた時
だった。

駄菓子屋の男、鈴木さんが私たちの布団の側に来て、私を抱きたいと申し込んで来た・・。竹内
さんが私の意見を求めた。私は下を向いたまま、それでもはっきりと頷きました・・。それで決
まりました・・。

その瞬間、周りの人が口々に何やら声を出しながら、拍手をしてくれました。
私が鈴木さんを受け入れると表明したことを皆が喜んでくれたのです。
なんだか、恥ずかしい、変な感じでしたが、不快感はありませんでした」

実のところは、鈴木が代表選手になって敦子を抱く申し込みは仲間内で相談済みのことで、竹内
の内諾も得ていたのです。敦子一人が、事前の打診を受けていなかったのです。鈴木と竹内は勿
論、その場に居る全員が固唾を飲む心境で敦子の返事を待っていたのです。敦子が潔く頷いたこ
とで、期せずして仲間の皆から拍手が湧き上がったのです。

「鈴木さんは自分の連れである女、弘子さんを竹内さんに差し出しました。私から見ても、清楚
でかわいらしくて、50歳を超えた竹内さんに抱かせるのはかわいそうに思えた。きっと嫌がる
はずだと思ったのだけれど・・・」

敦子の心配は無用だったことをその直後、弘子の行動が教えました。

薄笑いを浮かべた全裸の弘子が竹内の側ににじり寄り、いきなり股間のモノを咥えこんだのです。
驚いたのは竹内と敦子で、その他の人達は弘子のことをよく知っているようで、ニヤニヤ笑って
みているだけでした。

弘子は竹内の股間に頭をうずめ、お尻を敦子に向け高く上げていますから、嫌でも彼女の女性の
部分が敦子の目に曝されていました。どうやら弘子は故意にその部分を敦子に曝しているような
のです。顔や姿からは想像できないほどいやらしい、野生的な性器が滴るほどに濡れているので
す。敦子はにがり切った表情でその部分から視線を外していました。

「やがて、竹内さんが弘子さんの両脚を肩に担いで、
あそこに唇をつけ、はげしく吸い始めた、
もう・・私のことは気にしていない様子だった・・・・。

私は、ひどい表情で二人を睨んでいたと思います。
女って・・、こんなとき往生際が悪いのだとつくづく思いました・・」

〈・・・敦子は、独占欲が強く、やきもち焼きだからね・・〉

笑みを浮かべた朝森が、頷きながら、内心でそうつぶやいていました。スワップやスイングの時、
朝森が他の女を抱いているのを見ると、敦子は露骨に嫌な表情を浮かべ、事が終わった後も何か
と朝森を責めるのです。それで、事情が許す限り、敦子の前では他の女を抱かないようにしてい
たのです。どうやら竹内も、敦子の焼もちで悩まされた様子です。(1)